金星

 昨日(11月29日)「明けの明星」についてブログに書きましたが、今朝も非常に輝いている金星を見ました。そして右上に小さく光っている星が見えます。おとめ座の「スピカ」だそうです。私の星座はおとめ座です。

 

 また、12月4日には、新月3日前の細い月が金星の左に並び、たいへん目を引く眺めとなるようです。金星の右上には、少し離れておとめ座の1等星スピカも見つけることができます。

 

 空が暗いうちに月をよく見ると、月の影の部分がうっすらと光っているのに気づくかもしれません。この現象は「地球照」と呼ばれます。月が地球からの反射光によって照らされるために起こる現象です。双眼鏡で観察したり、肉眼でも目のよい人なら、地球照の中にもちゃんと月の模様が見えているのがわかります。

 

金星
 金星の半径は95%、質量は80%と、地球にとても近い数字です。距離の上でも近い両者は、「兄弟星」と呼ばれることもありました。にもかかわらず現在、金星よりも火星の方が地球に似ているという方が多いのは、探査機などの活躍で金星の過酷な環境が明らかになったからでしょう。

 生まれたばかりの金星と地球は、お互いによく似ていたと考えられています。どちらも高温で、水蒸気、二酸化炭素、窒素、塩素、硫黄などからなる原始大気で覆われていました。その後地球では気温が下がり、液体になった水が海を作り、二酸化炭素が海洋に溶け込んで石灰岩として取り込まれた結果、窒素を主体とした大気ができあがったのです。

 

 ところが金星は太陽に近かったため、温度が下がることはありませんでした。水蒸気は太陽の紫外線で分解されてしまい、二酸化炭素97%、窒素3%、90気圧もの大気が残されました。濃硫酸の厚い雲で覆われて、太陽光の80%近くを反射しています(金星が明るく見える理由の1つです)が、二酸化炭素の強烈な温室効果によって地表付近は500℃もの高温に保たれています。

 

 金星が地球どころか、ほかのすべての惑星と異なるのは、逆向きに自転している点です。しかも、自転周期は243日(以下、「日」は地球における1日のこと)と、225日の公転周期よりも長いため奇妙なことになります。金星では日の出から日の出までの時間、つまり「1日の長さ」は、自転周期よりはるかに短い117日間。しかも日は西から昇ります。とても想像できない世界ですね。もっとも、分厚い雲のおかげで、そもそも太陽を見ることができないと思います。

 

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