明けの明星

 朝、散歩のとき、東南の空(我が家からは「火山」の上)に非常に明るい星が見えます。「明けの明星」金星です。明るく輝きとても綺麗です。
 世宵の明星・明けの明星について調べてみました。

 

 金星は地球に近くまた表面の反射率も高い星なので、星の中でも最も明るい光輝を放ち、美の女神ビーナスの名で呼ばれます。「明けの明星」「よいの明星」というのは、ともに金星をさします。金星・水星は地球より内側の軌道を回る惑星なので、太陽の正反対に当たる、真夜中の空には現れません。明け方太陽に先がけて東の空に昇るか、あるいは日没後西の空に残って輝きます。

 

 金星が地球から見て太陽の西側にある時は、太陽より先行するので明けの明星となり、太陽の東にある時は、太陽より遅れるので、よいの明星になるのです。

 

 金星と地球の会合周期は584日ですが、その5倍は地球の公転周期(約365.25日)のほぼ8倍にあたります。そこで金星の地球上での見え方は、8年ごとにほとんど同じ状況が再現されることになります。そして、その8年の間に、明けの明星と宵の明星はそれぞれ5度づつ見られます。それぞれの軌跡はまたその8年後にわずかのずれでくり返されることになります。

 

真夜中に見えない理由
地球と金星の軌道
 太陽系の8惑星は内側から順番に水星-金星-地球-火星-木星-土星-天王星-海王星です。第2惑星・金星は地球のすぐ内側を回っているので、地球から見て決して太陽の反対側に来ることはありません。金星が明け方か夕方にしか見えなくて、真夜中に観測できないのはこのためです。

 

 金星が地球から見て太陽と同じ方向にあるときを「合」といいます。合の時には、地球からその姿を見ることはできません。そして、太陽の向こう側での合を「外合」、こちら側での合を「内合」といいます。

 

 内合を過ぎた金星は太陽の周りを反時計回りに移動し、太陽の西側に見えるようになります。このとき、地球からは日の出前の東の空に見えるようになります。金星は太陽から徐々に離れていきますが、ある点を境に今度は太陽に近付き始めるようになります。この点にきたときを、「西方最大離角(太陽の西側で起こる最大離角)」といいます。金星は明け方の東の空で明けの明星として輝く姿を見ることができます。

 

 西方最大離角を過ぎた金星は、しばらくは朝焼けの空に残って見えていますが、その後は急加速しながら太陽に近付いていきます。そして、「外合」を迎えます。地球の動きを加味して考えれば容易に理解できます。やがて金星は太陽の東側に姿をあらわします。そして「東方最大離角」のころには夕方の西の空に輝くようになるのです。このころの金星が宵の明星とよばれます。

 

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