「エケケイリア」(聖なる休戦)

 昨日(2月9日)韓国平昌(ピョンチャン)オリンピックが開会式を迎えました。北朝鮮の参加で平和の祭典と言う意味が問われています。
 古代オリンピックでは、「エケケイリア」(聖なる休戦)を設け休戦期間としました。
 現在のオリンピックはフランスのクーベルタン男爵によって復興され古代オリンピックの「エケケイリア」(聖なる休戦)の精神もつないでいます。

オリンピックの起源
 古代オリンピックは紀元前776年に古代ギリシアのエリス地方にあるオリンピアで始まったとされている。
 オリンピアはゼウス神の聖地であり、オリンピア競技はゼウス神に捧げる競技祭として始まったとされる。それは4年ごとに開催される汎ギリシアの祭典競技であった。
 古代ギリシアではポリス間で慢性的な争いが起こっていたが、祭典のために「エケケイリア(聖なる休戦)」と呼ばれる休戦期間を設けた。出場者はポリスの自由市民に限られており、優勝者にはオリーブの冠が授けられた。紀元前8世紀のオリンピックは貴族である競技者が名誉のために戦った。しかしそれ以降、ポリスの民主化と共に競技者の階層も広がった。

 古代ギリシアの競技精神を表すものが「カロカガティア」である。
 これは身体的にも道徳的にも優れていること、すなわち「美にして善なること」を意味している。
 古代オリンピックは時代と共に、競技者のプロ化やショー化されるようになった。それでも、この「カロカガティア」は競技精神の理想像として古代オリンピックの価値に位置付いている。ローマ時代になり、テオドシウス帝が起源392年にキリスト教を国教と定めたため、オリンピア進行は異教として禁止されることになり、393年を最後に古代オリンピックは終わりを告げた。

現在のオリンピック
 現代のオリンピックは、フランスの教育者ピエール・ド・クーベルタン男爵によって1896年第1回大会がアテネで開催された。
 クーベルタンは古代ギリシア・ローマ文明にあこがれを持ち、古代オリンピックにならった競技祭を構想した。その意味で、彼はオリンピックの再興者、復興者とも呼ばれる。
 クーベルタンがオリンピックを始めようとした根本動機はスポーツを通じて人間を変革することになった。
 しかしクーベルタンが考えたオリンピックは、単なる「スポーツの祭典」ではなく、精神の発達を願う芸術祭も含めてのものだった。実際に、1912年のストックホルム大会から1948年のロンドン大会まで芸術競技が開催され、1952年第15回ヘルシンキ大会から「芸術展示」、1992年の第25回バルセロナ大会からは「文化プログラム」として実施されている。

 古代オリンピックはギリシア人によるギリシア人のためのオリンピックであった。しかし、近代オリンピックは世界中にオリンピズムの理念を広めることを目指して行われている。

 その特徴としては、まず「平和の祭典」であることが挙げられる。クーベルタンは「スポーツを通じて平和な世界の実現に寄与する」ことをオリンピックの目的に掲げた。また、「勝敗だけではなく、ルールを遵守し正々堂々と全力を尽くす」という「フェアプレーの精神」がオリンピックでは重視される。

              (日本体育大学 インターネット記事 引用)

 

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