やませ

 北海道から関東にかけて、夏らしくない天気が続いています。この涼しさで心配されているのが、「コメ」への影響です。原因はオホーツク高気圧で例年太平洋高気圧が張り出して日本全土を覆います。そのバランスが崩れています。

 宮沢賢治の「サムサノナツハオロオロアルキ」を思いだします。

■「コメどころ」が「やませ」に…
 気象庁がホームページに公表した、ここ20日間平均気温を見ると、北海道、東北の太平洋側が特に平年より低いことが解ります。また、ここ20日間合計の日照時間を見ると、北海道や東北の太平洋側が特に短かったことが解ります。

 これは、6~8月ごろに北海道、東北、関東などで吹く北東の風「やませ」が太平洋側から吹いていることが原因です。

 太平洋側の冷たい海流の上を吹いてくるので冷たく湿った風となりますが、これが山にぶつかって雲ができることで太陽が遮られ、霧が出たり、曇りや雨の日が続いたりします。
 まさに日本の「コメどころ」が「やませ」にさらされてしまっています。

 日照時間が不足して気温の低い日が続くと農作物に被害が出るため、「やませ」は昔から「冷害風」「餓死風」と呼ばれ、恐れられていました。

 JAみやぎ登米の担当者は「現状、稲の生育に影響は出ていない」としつつも、「今後も天候が悪い状態が続くと、お米が大きくならず細くなってしまい、味や収穫量に影響が出る可能性もある」と話していました。

■心配は「いもち病」
 また、JAみやぎ登米の担当者は「一般的には、いもち病というのが一番心配されるところですね。やはり、天候の回復というのが待ち遠しい状態です」と話している。

 「いもち病」とは、日が当たらないなどの理由で稲にカビがはえ、稲が枯れてしまう病気だ。このまま悪天候が続くと、こうした病気にかかるリスクも高くなってくると言われています。

 

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