九州国際重粒子線がん治療センター

 昨日(7月17日)は、佐賀県鳥栖市の「九州国際重粒子線ガン治療センター」に行き元広島市の助役だった「山野 宏」氏に会いお話を聞きました。山野氏は九州重粒子施設管理株式会社の代表取締役をしておられます。

 

 同施設は2013年5月に開設されました。実際に治療が始まったのは昨年8月でした。前立腺がんに限定してスタートし、照射装置の調整を進めながら12月に頭頸(とうけい)部と骨軟部(骨肉腫など)、今年3月に肺、肝臓、膵臓(すいぞう)と予定通りに治療部位を増やしました。患者数の目標は1年目が200人、2年目400人、3年目650人、4年目以降に800人と設定しておられましたが、1年目で600人を超え、営業的にも大成功をおさめられたそうです。現在患者さんは待ちが3か月となっているそうです。

 

 話をして印象に残っている話は、広島市では重粒子線治療については消極的で、各病院でも勧めていません。私の喉頭がんでもそうでした。しかし、重粒子線・陽子線・X線・手術と治療法は有りますが、この治療全てを説明し「患者が選択をする」という事が大事で全国4番目の施設が九州に出来たので、次は広島に作って欲しいと話されました。九州・沖縄はネットワーク化したので中国四国地区とネットワーク化すると、がんの治療が大幅に前進すると話されました。

 

九州国際重粒子線ガン治療センター
 2007年12月 - 九州先端医療がんセンター(仮称)事業推進委員会 設立
 2013年 5月 - 開設
 2013年 8月 - 前立腺がん治療開始
 2013年12月 - 頭頸部、骨軟部の治療開始
 2014年 3月 - 肺、肝臓、すい臓等の治療開始

 

 産学官共同プロジェクトとして建設が計画され、当時建設予定であった九州新幹線新鳥栖駅から徒歩数分という立地の現在地で計画が進められた。自治体の補助金、民間からの出資金、寄付金等で資金調達、九州電力の経営悪化などの影響により資金が集まらず計画は難航したかに見られていましたが、金融機関が出資を決定し完成しました。現在の経営状態は良好だそうです。

 

 治療・運営および治療装置の整備については、佐賀県と県医師会が設立した公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団(十時忠秀理事長)が担う。

 一方、建屋の整備・管理に関しては、特別目的会社(SPC)である九州重粒子線施設管理株式会社が担当するという方式を採用している。この2つの事業主体が〝車の両輪〟となって、最先端のがん治療を提供しています。

 

 重粒子線治療は、体を切らずに治療できるため、これまで手術が難しかった頭頸部のほか、骨肉腫、前立腺、肺、肝臓、膵臓などのがんを治療できる。しかし、治療に不向きながんがあるのも事実だ。患部を標的にミリ単位で照射部位を精密に合わせるため、白血病など血液のがん、胃や大腸など不規則に動く臓器のがんは対象外となる。また、広範囲に転移している場合なども適さない。

 

 患者は福岡県の患者が55・5%を占め、佐賀県は次に多い17・9%。がんの部位別では、先行して治療を始めた前立腺が85・5%と大半を占める。広島県からも5人に方が前立腺がんの治療に来ていました。

 

 サガハイマット 九州で初めて、全国では4カ所目となる重粒子線治療施設。シンクロトロンと呼ばれる直径20メートルの装置で炭素イオンを光の速さの70%まで加速し、病巣に照射する。線量の集中性と殺傷能力に優れ、痛みがなく、副作用も少ない。対象は一つの部位にとどまっている固形のがん。今後、食道や特殊な子宮がんにも対応予定。治療は先進医療の対象で、技術料に314万円かかる。

玄関

目の前にある「新鳥栖駅」

 

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