NK細胞の活性化

≪ガンを殺すNK細胞が活性化する≫
 ボランティアの方に、漫才、漫談、喜劇などを見て3時間くらい笑っていただいた実験の結果があります。笑う前と笑った後の血液を調べたところ、笑った後ではNK細胞の働きが活発になっていることがわかりました。またNK細胞活性化は笑い体験の直後に上昇し、その速度はガン治療に使われている代表的な免疫療法の1つであるOK432を注射した時よりも早いものでした。

 

 笑うとなぜNK細胞が元気になるのでしょう。それにはまず「楽しく笑う」といことが出発点です。笑うと脳の前頭葉という部分に興奮が起きて、それが免疫をコントロールする間脳に伝達されます。そして、間脳が活発に働きはじめ、無数の神経ペプチドという情報伝達物質を作り出します。この物質は、まるで感情を持っているかのようにそれがいい情報なのか悪い情報なのかを判断し、その判断によって自分の性質を変えるのです。楽しい笑いの情報は、善玉ペプチドとして血液やリンパ液を通じて身体の中に流れNK細胞の表面に付着します。それに反応したNK細胞の働きは活性化し、ガンを殺す力が強くなるのです。いわば笑いによって作り出された善玉ペプチドは、NK細胞が戦うための栄養源というわけです。反対に悲しみやストレスは悪玉ペプチドを作り出しNK細胞の働きを弱めてしまいます。

 

■笑うことで強くなる、体内の戦士たち
 私たちの体内には、とてもユニークな働きを持つたくさんの戦士がいます。それは、リンパ球を中心にしたナチュラルキラー細胞(NK細胞)・T細胞・B細胞・大食細胞など数十種類の細胞たち。お互いが綿密に情報を交換しながらウイルスや細菌などの侵入を撃退しています。そして、SF映画さながらの戦いを繰り広げる戦士たちのパワー源は、私たちが明るく過ごし、大いに笑うことにあるという驚くべき研究結果が出ているのです。つまりキラー細胞をはじめとする多くの細胞は、人が落ち込んだり憂鬱な気分だったりすると働きが低下し、逆に楽しく愉快に過ごしている時は戦う力が強くなるのです。
                                        
≪笑顔を作るだけでも効果がある≫
 職場など大声で笑える状況にないときは、笑顔を作るだけでも効果はあります。リンパ球の攻撃・制御という相反する2つの性質バランスに変化はないものの、ガンを殺すNK細胞は活性化するということは明らかになっています。笑顔も笑いと同様、人間関係をスムーズにするばかりでなく、健康づくりにも一役かっているというわけです。
 
 ある研究によると、1人の人が1日のうちに「楽しいと感じて声に出して笑った、その笑いに費やす時間」は、男女平均で約23秒だそうです。毎朝3秒、洗面所の鏡に写った自分の顔を見ながら「ニコッ」とする。たったこれだけで心がリフレッシュするという。この3秒リフレッシュを意識していれば、渋滞の車の中でルームミラーに自分の顔を映して「ニコッ」。職場でトイレに行って手を洗いながら鏡に向かって「ニッコリ」。心がけることでその時々に少しずつ心がリフレッシュされる。
  時として精神的に笑える状態じゃないときがありますが、そんなときこそ、無理にでも自分のためだけに笑顔を作って見ることが大事だそうです。

                      (桂 七福HP 引用)

 

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