置かれた場所で咲きなさい 

 昨年から「置かれた場所で咲きなさい」と言う本が良く読まれているそうです。予算特別委員会でも文教関係では、「いじめ」の問題、「不登校」の問題「発達障害児」等の問題が話題となりました。この本の著者、渡辺和子さん(86)は、岡山市の学校法人、ノートルダム清心学園の理事長さんです。 著書の人間の生き方を書いた「置かれた場所で咲きなさい」が、<野に咲く一輪の花のように、道行く現代人の心を捉えています。累計発行部数は100万部と、人生論としては異例の売れ行き>なんだそうです。

 

 渡辺和子さんが書かれた文章を掲載します。我々の生き方の指針となると思います。

 

●「こうしたらいいと説くノウハウ本に比べて、『何処に置かれても、どういう状況になっても一生懸命に生きてごらんなさい』という呼びかけが目新しかったようです。実は本の題名になった言葉は、『 Bloom where God has planted you』という英詩の一部を翻訳したものです。私が30代半ばに岡山に派遣され、翌年大学学長に任命されて悩んでいたのを見かねて、1人の外国人神父が手渡してくれました。『そうだ、置かれた場所で自分らしく生きていれば、神様はきっと守ってくれている』という安心感が広がり、私も落ち着きを取り戻すことが出来ました。」

 

●「いじめと同様、若者の自殺問題も深刻です。自尊感情と言いますが、『あなたはあなたのままでいいのですよ』と周囲が声を掛ければ、本人は救われます。私は人間関係でまず、あいさつと微笑みが重要と訴えています。現代は砂漠にたとえられますが、誰かがオアシスにならなければならない。『おはようございます』『ありがとう』『失礼します』『すみません』。4つのあいさつの頭文字をつなぐとオアシスになります。笑ってあいさつすると、相手もうれしくなり、あいさつを返してくれるものです。」

 

●父親は1936年の二・二六事件で、反乱軍の犠牲になった陸軍大将で教育総監だった渡辺錠太郎。当時9歳だった少女は、寝室で父親が銃撃されるのを目撃した唯一の家族だった。「強い意志を持った人間がたった数分後に冷たい躯となる現場に立ち会い、人間の命のはかなさを実感しました。目的のためには手段を択ばない人間の行動も心に焼き付きました。18歳で洗礼を受け、29歳で修道院に入ったのは、父の死後しつけに厳しかった母親への反発が動機だったように思います。高慢で反抗的だった私が、新しい生き方を見つけたいと思っていた時に、学校の修道女に洗礼を勧められました」

 

●「大学では今も人格論を教えています。人間は弱い存在で完全な人はいないということを伝えています。100%信頼していると、裏切られた時に辛い思いをします。だから2%だけ、相手が間違った時に許しのために取っておくといいのです。人間は不完全。98%でいいんだと考えると、相手を許すことができます。他人に対して冷めた目と同時に温かな心も必要です」

 

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