トクホ

 近頃、会派控室で、脂肪の吸収を抑える働きがあるという事で、トクホのコーラ・黒烏龍が流行っています。

 

 

 上のマークがついている食品が特定保健用食品(通称:トクホ)です。トクホは、個々の製品ごとに消費者庁長官の許可を受けており、保健の効果(許可表示内容)を表示することのできる食品です。
他の食品と違うのは、からだの生理学的機能などに影響を与える成分を含んでいて、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、お腹の調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の効果が科学的に証明されている(国に科学的根拠を示して、有効性や安全性の審査を受けています。)ということです。

 多量に摂取することによって予防の効果が高くなったり、疾病が治るわけではありません。一方で過剰摂取による害があることもあります。また、トクホだからといって、何にでも効果があるというわけではありません。トクホの効果は、それぞれの食品に表示されている内容になります。
 特定保健用食品は健康が気になる方を対象にしている食品です。医薬品とは違いますので、病気の治療のために使用するものではないことにご注意ください。

 

 トクホに潜む問題点を「鈴木 正成/早稲田大学スポーツ科学学術院特任教授」は次のように整理しています


1)消費者はトクホを科学的に研究された、国が効能を補償する体に良い食品であると信頼され購買されてきたが、消費者一人一人に効能を保証できるものではないことは明白である。制度のスタート時から、薬は『効かなければならない』(must)がトクホは『効くかも知れない』(may)程度なのだと、本制度推進者たちが公言していたことに注目。

2)多くの消費者は、トクホ認定前にその効能と安全性を、国関連機関で確認していると思っているが、エコナの発癌物質の確認試験は、外部からの指摘を受けたあとに実施されているとおり、国は学術論文審査だけで許・認可しているにすぎない。

3)消費者の誰にも効能を発揮するトクホにするには、消費者の多様な条件(男女、年令、食生活、身体活動、生活リズム、健康状況など)にそれぞれ対応した生活科学的根拠を持って効能を保証すべきである。

4)しかし、2)の条件を充たすには莫大な実験と開発費が必要となるので、現実的に不可能である。したがって、効能を食品のラベルに印刷して販売することを許可されるトクホ制度は成り立たないので、廃止されるべきである。

 トクホは厚生労働省から消費者庁に移管されたが、消費者の利益をまもり被害を防ぐ立場にある消費者庁が、消費者を愚弄してきたトクホ制度を廃止も含めた根本的改革なしに、まさか継続させることはないものと期待したい。そして、消費者は科学的と言葉に惑わされることなく、食品購買判断力を高めなければならない。そして、健康づくりの基本は、規則正しい生活リズム、偏りのない腹八部目、適度な筋肉活動、心穏やかな生き方-の4条件にあることを再確認することが本質的に大事である。

 

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